説明

CD138を標的とする免疫複合体の使用

疾患を治療するためCD138を標的とする免疫複合体を投与することを有する方法及び治療レジメンが開示される。この免疫複合体は、唯一の有効成分として、治療レジメンの一部として、又は抗癌組合せ剤の一部として用いられる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
CD138発現標的細胞に関連する疾患を治療するための方法であって、
それを必要とする患者に対して有効量の免疫複合体を投与する
ことを含み、前記免疫複合体は、
CD138発現細胞を標的とする少なくとも1つの標的剤と、
少なくとも1つのエフェクター分子と
を含み、前記標的剤は、機能的に前記エフェクター分子に結合することにより前記免疫複合体を形成し、前記有効量は、許容量である
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
免疫複合体は、有害な副作用を治療するための剤と組み合わせて投与される場合、対象に対して5mg/mから200mg/mの量で投与される、又は薬物動態学的相当で5mg/mから200mg/mの量で投与される
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
初回投与終了から0から2時間後の対象の血漿における免疫複合体の最大濃度は、前記免疫複合体の理論最大濃度の50%未満、好ましくは40%未満、より好ましくは30%未満、更に好ましくは20%未満、更には10%未満である
請求項1及び2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
免疫複合体が少なくとも4回投与され、各回の投与終了から0から2時間後の対象の血漿における前記免疫複合体の最大濃度は、前記免疫複合体の理論最大濃度の55%未満、好ましくは50%未満、より好ましくは40%未満、更に好ましくは30%未満、20%未満、又は10%未満である
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
免疫複合体は、用量として、好ましくは繰り返し単回用量として、約10mg/m以下、約20mg/m以下、約30mg/m以下、約40mg/m以下、約80mg/m以下、約90mg/m以下、約100mg/m以下、又は約120mg/m以下の用量で投与され、
平均日量が、約400μg/mから約6mg/mであって、約500μg/m、約1mg/m、約2mg/m、約3mg/m、約4mg/m、約5mg/mを含み、及び/又は
平均週量が、約3mg/mから約40mg/mであって、約5mg/m、約10mg/m、約15mg/m、約20mg/m、約25mg/m、約30mg/m、又は約35mg/mを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
約20日間、約30日間、約40日間、約50日間、約60日間、約70日間、約80日間、約90日間、約100日間、約120日間、約140日間、約160日間、約180日間、約190日間、約200日間、約210日間、又はそれ以上の日数の間、病態安定が維持される
請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
1サイクル約3週間の治療サイクルにおいて、約1回、約2回、約3回、約4回、約5回、約6回、約7回、約8回、約9回、約10回、約11回、約12回の治療サイクルの間、病態安定が維持される
請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
少なくとも病態安定が、20mg/mで5回、6回、7回、8回、9回、又は10回の治療サイクルの間維持される
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
最大8回の治療サイクルの後にやや有効が観測される
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
1日目に免疫複合体を投与する約3週間を含む治療サイクルにおいて、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、若しくはそれ以上の回数の治療サイクルの期間持続するか、又は7日間、14日間、21日間、28日間、35日間、42日間、49日間、56日間、63日間、70日間、77日間、又は82日間持続する、病態安定、奏効、特にやや有効、部分寛解、非常に良好な部分寛解、ストリンジェント完全寛解、若しくは完全寛解を生じる
請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
免疫複合体は、5mg/m又は10mg/mから160mg/m未満、好ましくは150mg/m、140mg/m、130mg/m、又は120mg/mまでの量で、対象に投与される
請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
最大濃度は、10mg/mの場合3μg/mL未満、20mg/mの場合8μg/mL未満、40mg/mの場合15μg/mL未満、80mg/mの場合25μg/mL未満、又は120mg/mの場合30μg/mL未満である
請求項3に記載の方法。
【請求項13】
最大濃度は、20mg/mの場合14μg/mL未満、40mg/mの場合15μg/mL未満、又は80mg/mの場合25μg/mL未満である
請求項4に記載の方法。
【請求項14】
CD138が、患者における標的細胞及び非標的細胞に発現しており、投与の結果として、免疫複合体の穏やかな又は遅い血漿クリアランスが生じ、CD138を発現する前記非標的細胞、特に上皮細胞は、実質的に影響を受けない
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
CD138を発現する標的及び非標的細胞におけるCD138発現レベルは同等である
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
投与される有効量は、有害な副作用を治療するための剤と組み合わせて投与される場合、200mg/m未満であるか、又は薬物動態学的相当で200mg/m未満であり、投与の結果として、好ましくは40時間、30時間、20時間、15時間、10時間、9時間、8時間、7時間、6時間、又は5時間未満後に対象において奏効が生じる
請求項14及び15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
有効量は、120mg/m超である
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
有効量が、単回投与、繰り返し単回投与又は複数回投与で投与される
請求項14から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
各回投与後の最大血中濃度値が、理論最大血中濃度値の55%超である
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
投与の結果として、少なくとも病態安定、やや有効、又は部分寛解のFLC又はM蛋白質レベルが、患者において好ましくは初回投与後に生じる
請求項14から19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
免疫複合体は、CD138に対する抗原結合領域(ABR)と、更なる抗体領域とを有し、前記更なる抗体領域の少なくとも一部は、ヒト抗体のものであってIgG4アイソタイプ性を与える
請求項1から20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
免疫複合体は、nBT062又はnBT062に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%の配列同一性を有する標的抗体を含む、又はBT062に対応する
請求項21に記載の方法。
【請求項23】
免疫複合体と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を投与することから実質的になり、前記組成物の活性成分は、実質的に、前記免疫複合体からなる
請求項1から22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
免疫複合体が静脈内投与される
請求項1から23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
免疫複合体が繰り返し単回投与で静脈内投与される
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
疾患が、CD138発現に関連の血漿増殖性障害であり、多発性骨髄腫、特に再発性又は難治性多発性骨髄腫などである
請求項1から25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
標的細胞においてCD138を発現する疾患は、腎細胞癌、子宮内膜癌、子宮頚部癌、前立腺腺癌、膵臓癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、肝細胞癌、結腸直腸癌、結腸癌、扁平上皮癌、肺癌、特に扁平上皮細胞肺癌、非ホジキンリンパ腫、胸腺、子宮、膀胱又は卵巣癌からなる群から選択される
請求項1及び2のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
疾患は、骨痛及び骨合併症の少なくともいずれかに関連し、免疫複合体の投与により、骨痛及び骨合併症の少なくともいずれかを、好ましくは受容可能なレベルまで減じる
請求項1から27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
免疫複合体は、難治性表現型を克服する
請求項1に記載の方法。
【請求項30】
CD138発現標的細胞に関連する疾患を治療する方法であって、
(i)前記疾患を、多発性骨髄腫などのCD138発現標的細胞に関連しているものとして特定すると共に、免疫調節薬及びプロテアソーム阻害剤の少なくともいずれかを含む1以上の細胞毒性剤による治療に対して奏効しない又は奏効が乏しいものとして特定することと、
(ii)対象に対して請求項2における有効量の免疫複合体を、好ましくは静脈内投与すること
を含み、前記対象は、免疫調節薬及びプロテアソーム阻害剤の少なくともいずれか含む1以上の細胞毒性剤による治療に対して奏効しない又は奏効が乏しく、前記疾患が治療される
ことを特徴とする方法。
【請求項31】
CD138発現標的細胞に関連する疾患を治療する方法であって、
そのような治療を必要とすると共に、50ng/mL超、60ng/mL超、70ng/mL超、80ng/mL超、100ng/mL超、150ng/mL超、200ng/mL超、200ng/mL超、400ng/mL超、500ng/mL超、600ng/mL超、700ng/mL超、800ng/mL超、900ng/mL超、1,000ng/mL超、1,100ng/mL超、1,200ng/mL超、1,300ng/mL超、1,400ng/mL超、1,500ng/mL超などの高レベルのsCD138を呈する患者に対して、請求項1における有効量の免疫複合体を投与すること
を含み、20mg/m又は40mg/mの量が有効でありやや有効などの奏効を提供する
ことを特徴とする方法。
【請求項32】
奏効は、免疫複合体の選択的結合から生じる
請求項31に記載の方法。
【請求項33】
対象が、レナリドマイドなどの免疫調節薬及びボルテゾミブなどのプロテアソーム阻害剤の少なくともいずれかを含む細胞毒性剤による治療に対して奏効しない又は奏効が乏しい
請求項31に記載の方法。
【請求項34】
少なくとも1つの細胞毒性剤と、CD138発現細胞を標的にする標的剤を含む少なくとも1つの免疫複合体と、
少なくとも1つのエフェクター分子と
を含む抗癌組合せ剤であって、前記標的剤は、機能的に前記エフェクター分子に結合することにより前記免疫複合体を形成し、
(a)前記組合せ剤が、1超、1.1超、1.2超、1.3超、1.4超のシナジー比を有するか、
(b)前記組合せ剤が、2超のLog10 cell killを有するか、又は
(c)前記組合せ剤が、約1のシナジー比を有し、前記エフェクター分子及び前記細胞毒性剤は、干渉作用機構を有し、
前記抗癌組合せ剤は、医薬組成物であるか、又は前記少なくとも1つの細胞毒性剤及び前記少なくとも1つの免疫複合体を別々の容器に含むキットである
ことを特徴とする抗癌組合せ剤。
【請求項35】
細胞毒性剤は、プロテアソーム阻害剤、免疫調節剤、血管新生抑制剤、DNAアルキル化剤、又はこれら2以上の混合物である
請求項34に記載の抗癌組合せ剤。
【請求項36】
細胞毒性剤は、ボルテゾミブ、サリドマイド、レナリドマイド、メルファラン、又はこれら2以上の混合物である
請求項34に記載の抗癌組合せ剤。
【請求項37】
標的剤は、CD138発現細胞を標的とする改変された標的抗体である
請求項34から36のいずれかに記載の抗癌組合せ剤。
【請求項38】
改変された標的抗体は、CD138に対するABRと、
更なる抗体領域とを含み、前記更なる抗体領域の少なくとも一部は、ヒト抗体のものであってIgG4アイソタイプ性を与える
請求項37に記載の抗癌組合せ剤。
【請求項39】
免疫複合体は、nBT062又はnBT062に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%の配列同一性を有する標的抗体を含む、又はBT062に対応する
請求項38に記載の抗癌組合せ剤。
【請求項40】
エフェクター分子及び細胞毒性剤は、干渉作用機構を有し、前記作用機構は、好ましくは微小管の阻害又は細胞周期停止の誘導を伴う
請求項33から38のいずれかに記載の抗癌組合せ剤。
【請求項41】
干渉作用機構が、細胞周期停止の誘導であって、細胞毒性剤が、メルファラン、ボルテゾミブ、レナリドマイド、又はサリドマイドである
請求項40に記載の抗癌組合せ剤。
【請求項42】
エフェクター分子及び細胞毒性剤は、非干渉作用機構を有する
請求項34から39のいずれかに記載の抗癌組合せ剤。
【請求項43】
抗癌組合せ剤が、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物である
請求項34から42のいずれかに記載の抗癌組合せ剤。
【請求項44】
抗癌組合せ剤が、第1の容器に免疫複合体を含み、第2の容器に少なくとも1つの細胞毒性剤を含み、キットの各コンポーネントの使用方法に関する指示書を含むキットである
請求項34から42のいずれかに記載の抗癌組合せ剤。
【請求項45】
CD138発現標的細胞に関連する疾患を治療するための方法であって、
それを必要とする患者に対して、請求項34から44のいずれかの抗癌組合せ剤、又は少なくとも1つの細胞毒性剤とCD138発現細胞を標的とする標的剤及び少なくとも1つのエフェクター分子を含む少なくとも1つの免疫複合体とを有する抗癌組合せ剤の有効量を投与すること
を含み、前記標的剤は、機能的に前記エフェクター分子に結合することにより前記免疫複合体を形成し、前記免疫複合体は、難治性表現型を克服すること
を特徴とする方法。
【請求項46】
CD138発現標的細胞に関連する非血漿増殖性疾患を治療するための方法であって、
それを必要とする対象に対して又は前記非血漿増殖性疾患の細胞に対して有効量の免疫複合体を投与する
ことを含み、前記免疫複合体は、
CD138発現細胞を標的とする少なくとも1つの標的剤と、
少なくとも1つのエフェクター分子と
を含み、前記標的剤は、機能的に前記エフェクター分子に結合することにより前記免疫複合体を形成し、
前記CD138は、患者の標的細胞及び非標的細胞において同等レベルで発現される、又は前記CD138は、前記患者の前記標的細胞において、CD138発現非標的細胞のレベルよりも低いレベルで発現される
ことを特徴とする方法。
【請求項47】
CD138発現非標的細胞は、上皮細胞である
請求項46に記載の方法。
【請求項48】
疾患の標的細胞からは、24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間の期間に亘ってCD138が取り除かれる
請求項45に記載の方法。
【請求項49】
疾患は、乳癌である
請求項48に記載の方法。
【請求項50】
免疫複合体は、固形腫瘍の寛解を誘発する
請求項45及び46のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
固形腫瘍は、膵臓癌又は乳癌である
請求項50に記載の方法。
【請求項52】
寛解の後、腫瘍の再成長がない期間が続く
請求項50及び51のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
疾患は、腎細胞癌、子宮内膜癌、子宮頚部癌、前立腺腺癌、膵臓癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、肝細胞癌、結腸直腸癌、結腸癌、扁平上皮癌、肺癌、特に扁平上皮細胞肺癌、非ホジキンリンパ腫、胸腺、子宮、膀胱又は卵巣癌である
請求項45及び46のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
腫瘍は、乳癌であり、前記乳癌は、エストロゲンレセプター陰性、プロゲステロンレセプター陰性及びハーセプチン耐性の少なくともいずれかである
請求項50に記載の方法。
【請求項55】
標的抗体は、改変された抗体である
請求項1から54のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公表番号】特表2012−526079(P2012−526079A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509032(P2012−509032)
【出願日】平成22年5月5日(2010.5.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/056124
【国際公開番号】WO2010/128087
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(390035378)バイオテスト・アクチエンゲゼルシヤフト (13)
【出願人】(504039155)イミュノジェン・インコーポレーテッド (36)
【Fターム(参考)】